素晴らしい白ワインを産出する地域、アルト・アディジェの魅力
イタリアワインを愛する皆様、こんにちは。今週1週間、ブログを担当しているワインバー・ロスコの笹山です。
これまではミラノやフランチャコルタなど、ロンバルディア州についてご紹介しましたが、今日はさらに北東に位置するアルト・アディジェについて書こうと思います。素晴らしい白ワインを作るエリアです。
アルト・アディジェはイタリアでも一番北に位置していて、オーストリアと国境を接しています。最大の町、ボルツァーノの位置はこちらです。
地図を見るとよく分かるんですが、まっすぐ北上すると、ドイツのミュンヘンがあります。南下して同じ国のフィレンツェに行くよりも距離はずっと短いですね。
ボルツァーノの中心部はこんな様子です。すぐ近くまで、切り立った山が迫っています。
ボルツァーノから北に行くと、さらに標高が高くなり、こんな雄大な景色が広がります。
行政上はトレンティーノ・アルト・アディジェ州となっていますが、北のアルト・アディジェと南のトレンティーノでは、ずいぶんと事情が異なります。アルト・アディジェでは、ドイツ語をしゃべる人の方が多いエリアです。
私がこの地を訪れた際、電車に乗っていると、アルト・アディジェではドイツ語のアナウンスが流れていたんですが、トレンティーノに入るなり、イタリア語だけになりました。トレンティーノは純粋にイタリアですが、アルト・アディジェはドイツやオーストリアの影響を受けているんですね。
町の名前もイタリア語とドイツ語の二つの名前を持っています。たとえばボルツァーノ(Bolzano)はイタリア語名で、ドイツ語ではBozenです。
標識もドイツ語とイタリア語が併記されていました。田舎に行くとドイツ語だけの標識が多かったです。アルト・アディジェで作られるワインのラベルもドイツ語とイタリア語を併記しているものが多いですね。
ボルツァーノの少し西を南下する道が、ストラーダ・デル・ヴィーノ(ワイン街道)と呼ばれ、道の両側に葡萄畑が連なっています。
葡萄畑が延々と続く景色は美しくて感激しました。ワイン好きにはたまらない景色だと思います。
見学させていただいたワイナリーでお昼をごちそうになりました。スペックというスモークしたハムが名物です。
アスパラガスが旬の時期でした。地元のチーズもおいしかったですよ。こんな料理のお供には、アルト・アディジェのワインが本当にいい具合なんです。
アルト・アディジェのワインは、ラベルに葡萄品種名を表示しているワインが多いです。この画像では、左から、ミュラー・トゥルガウ、ソーヴィニヨン、ゲヴルツトラミネールと書いてありますね。アルト・アディジェでは、ほかの白ワイン品種としては、ピノ・ビアンコ、ピノ・グリージョ、シャルドネなどが栽培されています。
葡萄品種によって個性が様々なので楽しいですよ。いろいろと飲み比べてみてください。
青空の下、屋外のテラスで食事したのですが、アルト・アディジェのクリーンで爽やかな味わいの白ワインは、まさに気分にピッタリでした。
今、日本では気温も湿度も高く、うっとおしい天気が続きますが、アルト・アディジェの白ワインを飲むと、さっぱりと爽快な気分になれますよ。
爽やかな白ワインが飲みたくなった時には、ぜひアルト・アディジェを思い出してください。
AVIでは、来る9月18日(日曜日)に、大阪・中之島の大阪市中央公会堂で「ミラノワインコレクション」と題して、北イタリアのワインを特集するイベントを開催します。北イタリアのワインの魅力を堪能できることでしょう。