イタリアを代表するスパークリングワイン、ロンバルディア州のフランチャコルタ
イタリアワインを愛する皆様、こんにちは。今週1週間、ブログを担当しているワインバー・ロスコの笹山です。
前回はミラノについて書きましたが、ミラノからもう少し東に行った地域、イゼオ湖の南にフランチャコルタというイタリアでもトップクラスのスパークリングワインを産出するエリアがあります。
ここでは、メトードクラシコとか、瓶内二次発酵方式とか称されている手間と時間がかかる方法で、立派なスパークリングワインが作られています。
この製法は、世界最高峰のスパークリングワインを産出する地域、フランスのシャンパーニュ地方と同じ製法なので、シャンパン方式とも呼ばれます。
スパークリングワインを作る方法としては、よりコストがかからないシャルマー方式などがありますが、このメトードクラシコによる作り方は、手間がかかる分、泡がよりきめ細かく複雑な味わいとなります。
以前、フランチャコルタの、とある生産者を訪れました。そちらで撮影した画像と共に作り方をご紹介します。
まずは普通にワインを作ります。これが一次発酵です。
そのワインに酵母と糖分を添加して瓶詰し、王冠でふたをします。
そして瓶をさかさまにしてこうやって立てて置いておきます。
そうすると、瓶の中で糖分が酵母の作用によって二酸化炭素が発生します。密封されているので二酸化炭素が外に逃げる余地がなく、液体に泡が溶け込んでいきます。
その過程で澱が発生するので、澱を瓶の口に集めるために瓶を徐々に立てていきます。
今では、こうやって機械でコントロールしている作り手も多いです。ただし、プレステージクラスのものについては、いまだに手作業でする生産者が多いと思います。
さて、瓶の中で2年ほど熟成させると、泡が十分にワインに溶け込みます。そこで、デコルジュマンという作業をします。澱(おり)を取り除いて、コルクを打ち込む作業です。
まずはボトルをひっくり返します。
そして、非常に低温な液体に瓶の口の部分のみを浸します。そうすると、長い時間をかけて澱を瓶の口の部分に集めていたので、澱だけが凍った状態になります。
再び瓶を立てて次の工程に向かいます。
そして王冠を外すのです。瓶の中は泡が発生して気圧が高まっているので、ポンポンと勢いの良い音が発生して、凍った澱の部分だけが外に飛び出します。
そこですかさず、味わいの調整のために甘みのあるリキュールを添加します。
その後すぐさまコルクを打ちます。
これらの工程は、ものすごいスピードで次々と行われていました。こんなに機械化する前は、熟練した職人が1本1本、手でこの作業をしていたんですよね。短時間で行わないといけないので、まさに職人技だと言っていいと思います。
こうやって瓶内二次発酵のスプマンテが作られます。今、まさに蒸し暑い時期に、爽やかなスパークリングワインを飲むのって幸せですよね。長い時間と手間暇のかかったフランチャコルタをぜひ飲んでみてください。イタリア最高クラスのスプマンテですよ。長い余韻に酔いしれることでしょう。
ミラノのあるロンバルディア州では、こんな素敵なワインが作られています。
幸せワイン。イタリアワイン。